宗教とモラルと、勤勉な日本人

今日は一足早い Chinese New Year のパーティに行ってきました。
たまに参加させてもらっている、アジア人メインの聖書勉強会のパーティで、クリスチャンじゃないのは多分自分だけ。よくあることですがw


そこで会った、ベトナムから亡命してきたという若い量子物理学者の方に、おもしろい話を聞きました。彼によると、アメリカは(イスラム圏を抜きにすれば)世界で最も宗教的な国の一つなのだそうです。


彼は、物理法則の中から神を感じるために量子物理学者になったという筋金入りのクリスチャン。結構世界を飛び回っているそうですが、彼曰く、祖国ベトナムは生活習慣として宗教が残っている程度の無宗教状態。(日本と一緒だねって言ってました。よく知ってるなと感心)
ヨーロッパは北も南も、イタリアでさえも、あまりキリスト教には感心がないらしく、ちょっと残念がっていました。


確かによく考えてみると、共産主義国に関わった国は無宗教時代を経ていますし、植民地化された経験のある国は宗主国の宗教であるキリスト教が土着の宗教を駆逐する形で入ってきています。(そういう意味ではタイなんかは独自の宗教文化を維持していておもしろい)これにイスラム圏をマイナスすると残るのはもうインド、北米、西ヨーロッパくらい。


インドはひとまず置いておいて、西ヨーロッパがダメだとすると、残るのは、確かにアメリカということになります。すげぇ、今日指摘されるまで全然気づかなかった。


そう考えると、アメリカはありとあらゆる宗教に触れられる、かなりおもしろい土地なのかもしれないです。逆に言うと、ちょっとがっかり。


というのは、自分が宗教というものに興味を持ち始めたきっかけが
「日本でモラルが急激に低下している理由は、宗教によって倫理が規定されるしくみがないからかもしれない。ある意味倫理を規定していた、周りの目、というものが急激に無くなるにつれ何が悪いかを規定するのが難しくなり、殺人、という行為の是非についても議論が必要な状態になったのではないか」という自分の仮説を検証してみたいと思ったからであり、
日本の100倍マナーが悪い米国が、世界で最も宗教的な非イスラム国なんて言われた日にゃ、ちょっとがっかりもしてみたいところ。


まあ、ここから言えることは、キリスト教は使えない、ってことだけですがw


ところでアメリカに来てから気づいたのですが、日本人って、少なくとも外から見ると、もう信じられんくらい、勤勉で、礼儀正しく、自省を欠かさない謙虚な民族ですよ。


日本では、やるべきことはやって当たり前。
アメリカでは、やるべきことをやったら偉い!
多くの国では、やるべきことをやらないのは普通。


モラルが悪化してる!なんて騒いでるのも、日本人が謙虚で自省に優れていることの現われじゃないかなってのが、最近の意見です。


日本のビジネス雑誌はいつも日本型を否定し、欧米のどっかの会社のシステムばかり紹介していますが、アメリカのビジネススクールでは日本型モデルは素晴らしいものとして、常に引き合いに出されています。(MOT専攻の友達談)素晴らしい謙虚な自省の精神。これが日本の底力かも。


モラルでいうと、受付嬢が風船ガム膨らましながら対応、マック店員の注文を聞き取れなかったときの対応は「んぁあぁ!?」(眉をひそめて)、トイレで小をする時は便座を上げず尿を便座に撒き散らす。これって、アメリカでもかなり文化教養レベルが高いと言われているウチの市の、しかも大学近辺で起こってることです。


仕事で言うと、平日は5時帰宅、金曜は3時帰宅。祝日は徹底的に休む。それでもなぜか仕事は回る。何でだかいまだに謎。アメリカでは学生が忙しく、社会人になると暇、ってのは一般的です。日本人超働き者。


自省的なのは日本人の最も優れている点の一つだと思います。そして、欠けているのは自信と自愛でしょうか。声高に叫びたいです、日本人ってすごいんだからもっと自信持とうよと。